説明上手にすぐになれる図解を使ったプレゼンのコツ

説明上手になるためには様々な方法があります。その代表的な方法は「話し方を学ぶ」ことですが、もともと話し下手な人にとっては多くの時間と労力がかかってしまいます。

また、学ぶだけでなく実際に上手になるための練習を何度もおこなう必要性があるので、努力を継続していくことも求められます。そのため、話が上手くなる前に挫折してしまう人もいるでしょう。

そこで、この記事では「わかりやすい図解」をつくることで説明上手になるための近道を示しています。

わかりやすい図解を作れるようになると、口頭で説明する場合でも、資料やスライドを使って説明する場合でも、様々なシーンで説明上手になることができるのです。資料のデザイン例も豊富に紹介しながら、説明上手になるための図解の技術をお伝えいたします。

わかりやすい説明のための3つのスキル

図解の作り方の前に、説明上手になるための3つのスキルを確認しておきましょう。

話し方のスキル

話す内容の組み立て、言葉選び、声や表情、身振り手振り、受け手とのコミュニケーションによってわかりやすく説明する技術です。

ビジネスでは合理的な判断が求められるため、結論から説明していくことが基本ですが、聴衆とコミュニケーションを取りながら反応を見て、時と場合・相手によって臨機応変に工夫することも必要になります。

資料作成のスキル

プレゼン資料やスライドを用いてわかりやすく説明できるスキルです。

話すだけでは伝えることが難しい内容をビジュアル的に伝えたり、言葉をテキストオブジェクトで視覚情報として伝えたりすることで、受け手の印象に残すことができます。企画書・稟議書・説明書など、場合によっては書類のみで説明を伝えることもあります。

図解のスキル

文字情報だけでは伝えることが難しい、複雑な概念や大量の情報を視覚的に整理して伝えることができます。

話しながらホワイトボードに図解を板書したり、商談や打ち合わせをしながらノートに図解して見せたり、パワーポイントで作成した図解をプレゼン資料に載せて見せることで、よりわかりやすく情報を伝えることができます。

KEI

わたしが、デザインの仕事をする際にも・・・

クライアントから情報をヒアリングしながら、ノートに図解して見せるようにしています。自分の理解があっているか、企画の方向性が大きく間違ってはいないかを、最短・最速で確認できるため、仕事のズレを極力無くすことができます。

 

図解の失敗例とよくある原因

説明上手になるための図解のポイントを理解するために、具体的な失敗例(サンプル)を紹介します。

以下の資料は、とある企業の販売管理の業務フローとシステムを説明するために作成した図解資料です。この資料の見づらさの原因について解説していきます。

原因1:情報の重要度、伝えたいことが不明確

囲みのグラデーション・イラスト素材・赤い矢印、段ボールのアイコンが同じくらい目立っていて、後はテキストが散在しているという印象を受けます。この紙面の中で、何が重要な情報であるのかがよくわからないことがわかりづらい原因になっています。

原因2:レイアウトが乱雑で整っていない

図形やテキストのオブジェクトが整列されていないため、パッと見でゴチャゴチャした印象と、情報の区切りがわかりづらい原因になっています。

原因3:色が多い、グラデーションが見にくい

色の多さも情報の重要度がわかりづらくなる原因です。グラデーションは視認性が下がってしまうことが多いので、デザイン的な知識や経験があまりない場合は、基本的に使わない方がよいでしょう。

 

わかりやすい図解例と作成のコツ

上記の失敗例と同じ内容で、わかりやすく作成した図解例と作成のコツを紹介します。

伝えている内容はほとんど同じですが、かなり見やすくなっているのではないでしょうか。以下に、わかりやすい図解作成のコツを紹介します。

重要度の低い情報は目立たなくする

重要でない情報には色を使わずにグレーにしています。これによって内容を理解するために必要な情報を掲載しながら、重要な情報を埋もれずに際立たせて見せることができます。可能であれば情報を削ることも検討します。

重要度の高い情報を目立たせる

逆に重要な情報はしっかりと目立たせるために色と囲みワクを使っています。説明を聞く相手にとって重要な情報を、目立たせることで情報をスムーズに受け取り理解しやすくなります。

レイアウトやサイズを整える

各オブジェクトの配置やサイズを整えてサイズをそろえることも重要です。バラバラに配置された情報よりも、規則性や統一感のある情報の方が、より早くスムーズに理解ができます。また、見た目の美しさも好印象を与えるので、相手にストレスを与えずに情報を伝えられます。

上記で紹介した図解サンプルのビフォーアフターを横に並べてみます。

 

わかりやすい説明の伝える順番

図解に限らず説明するうえで、初めの方で伝えるべき重要な情報は相手のメリットです。説明を聞くことでどんなメリットがあるのか、または説明した内容を実行することで、どのようなメリットがあるのかを伝えましょう

メリットを説明するための資料の例も紹介します。

特にプレゼンテーションにおいては、相手の興味関心ごとや、仕事上で抱えている課題などを詳しく知り、それらを解決できるというメリットを強調して伝えることが重要です。

その次に、なぜそのメリットがあると言えるのかを説明する情報(エビデンス)を伝えていきましょう。例えば、グラフを使って数字を伝えたり、お客様の声や、現場の課題などを伝えます。話し手の意見や主張ではなく、客観的な事実を集めて論理的に伝えることが重要です。

以下の例は、商品やサービスのメリットのエビデンスを説明するための資料例です。すでに導入済みの顧客の声の紹介と、沢山の企業に導入されていることを紹介して、サービスが提供している価値が高いことを証明しようとしています。

最後に提案です。新しい事業やサービスを紹介して、契約や決済をしてもらうために、納期・品質・コストなどの詳細な情報を伝えます。

ただし、プレゼンや説明は相手とのこれまでの関係性や、プレゼンする人の信用度やブランド力によっても、最適解が変わってくるので、あくまで初心者のための基本であると理解しておいてください。

 

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この記事では、説明上手になるための図解で伝える方法について詳しくお伝えしてきましたが、他にも様々な図解のデザインがありますので、参考に以下の記事を紹介いたします。

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