流行したロンダ・バーンの著書「ザ・シークレット」をきっかけに、引き寄せの法則は現在でもスピリチュアル好きな女性を中心に、多くの人が学び実践されています。
この記事では、引き寄せの法則の源流であるニューソートという思想について紹介し、その問題点などにも考察していきます。
男性が好みやすいのは「成功法則」で、女性が好みやすいのは「引き寄せの法則」って感じかなと思います。
Contents
引き寄せの法則もニューソートが源流
ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」に代表される自己啓発の源流には、ニューソートという思想があるということを以前の記事に書いています。もしよかったら参考に読んでみてください。
引き寄せの法則も、自己啓発と同じくニューソートが源流となっているようです。まずは、ニューソートと引き寄せの法則の関連について、簡単に紹介いたします。
ニューソートの基本概念
ニューソートは19世紀後半にアメリカで始まった宗教・霊性運動です。この思想は、思考や意識が現実を創造するという考え方を中心に据えています。ニューソートは、ポジティブな思考や意識の変化が健康、幸福、成功をもたらすと信じています。
キリスト教プロテスタントに対する反発として生まれたとされていて、個人の幸福や物質的成功に焦点を当てた楽観的な世界観を持っています。
引き寄せの法則の誕生
引き寄せの法則は、ニューソートの思想を基にして発展しました。ポジティブな思考や感情がポジティブな結果を引き寄せるという信念は、ニューソートの基本概念と一致しています。この法則は、現代の自己啓発やスピリチュアルな実践に大きな影響を与えています。
ニューソートと引き寄せの法則の共通点
ニューソートと引き寄せの法則は、自己啓発、ポジティブ思考、ホリスティックな視点など、多くの共通点を持っています。どちらも個人の霊性や精神性の向上を目指し、前向きな思考が現実を変える力を持つと信じています。
願望の引き寄せも欲を増長させる
引き寄せの法則も、願望達成を進める自己啓発と同じく、欲望が肥大してしまうことが問題点であると考えます。
自分に都合の良いものばかり引き寄せようと考える人が必ず出てきますし、初めはそうでなかった人も「もっとたくさん願望を持った方がよいのかも・・・」と影響を受けてしまい、欲がどんどん増長してしまいます。
願望とは心から望むことを指しますが、自分が心から望んでいることが何かを分かっている人は、世の中にほとんどいませんし、それがわかっているような人は「引き寄せの法則」なんて学ぼうとは思いません。
人は幸せになりたいとは願っていても、何を手に入れれば幸せになれるのか分かっていないのです。そのため、結局のところ世間的に価値あるものとされているものを望んだり、物欲・名誉欲・金銭欲を満たすものになったり、理想的な異性を手に入れたいと考えるようになるのが関の山でしょう。
似た者同士は引き寄せ合う
引き寄せの法則が仮に本当だったとしても、何を引き寄せようとするかは、その人の次元の高さによって変わってしまうので、ろくでもない世の中になるのは火を見るより明らかです。
自分が得たいものや結果を都合よく引き寄せられるような法則をつくったら、利己的な人間も多いこの世の中は今よりもめちゃくちゃになるでしょう。善良な人や思いやりのある優しい人が害を受けることは間違いありません。それだけでも引き寄せの法則なんてのはあり得ないと思います。
しかし、似た者同士が引き寄せ合うというのは本当にあると思います。欲深い人の周りには欲深い人が集まり、悪人の周りには悪人が集まっているように、価値観が似ている人同士が集まることは、経験的に誰もが知っています。
また、これは受け売りですが、悪人には悪霊が寄り付き、善人には天使が寄り付きやすくなるらしいです。天使・聖霊や悪魔・悪霊などの霊的な存在がいるとしたら、その働きによって人間が助けられたり邪魔されたりすることはあると思います。
人間には自分の願うべきことが適切なのかわからない
引き寄せの法則があったとしてもなかったとしても、問題なのは願う内容です。
自分の頭で「これを手に入れれば幸せになれる」と考えて、それが叶ったとしても何年・何十年と長いスパンで見た時に、むしろそれが足枷や重荷になってしまうこともよくあります。逆に「苦しくて逃れたい状況」に耐えて頑張っていたことが、何年後・何十年後かに花開いて、人生が発展していくことも十分にあり得ます。
これらは、自分で考えてもわかりません。幸せになれると思ったことが足かせになり、苦しみに耐えた経験が強みになったり、長い年月でどのように変化していくかは、人間の頭では想像もつかないことがほとんどではないでしょうか。
そのため、何かを引き寄せて手に入れたとしても、それが不幸の種となってしまうかもしれないのです。それなのに、引き寄せの法則を実践したところで何の意味があるのでしょうか?大抵の場合は、欲望の肥大につながってしまうでしょうし、役に立たない学びに時間とお金の無駄づかいになってしまいます。
真面目に努力することから逃げてはいけない
幸せになれる願いを見つけていくためには、自分の次元を高めていく必要があります。
低い次元のままあれこれ考えても、とんちんかんな願いを叶えようとしたり、場合によっては利己的な欲に執着して、他者への思いやりや配慮も失ってしまうことになります。
自分の強みや個性・才能を見つけて磨きながら、静かに内面と向き合う時間をつくって、少しずつコツコツと自分自身を改善していきましょう。1日1日で見るとほとんど変化していないように見えても、1年後には本当の変化が起こっていることでしょう。そのまま継続していけば、10年後には現実的に大きな変化も起きてくるでしょう。
このような地道で真面目な努力をするよりも、ほとんど何の努力もいらない「引き寄せの法則」などにひかれてしまうのは、結局のところ怠惰な心に問題があります。自分の中の怠惰な問題を見ない振りしたまま、世の中に溢れる〇〇の法則などに逃げても、それは現実逃避で時間の無駄です。
厳しい言い方ですが、人生を本当に良くしていくための時間も使えるお金も減らしてしまうのは愚の骨頂ですので、今すぐに止めたほうがいいでしょう。
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