起業して失敗したなぁと思うこと5つと対処法【実体験】

わたしは2014年1月に独立起業して、WEBデザインやグラフィックデザインなどの仕事で生計を立てています。

この記事を書いている時点で約5年半の間、起業してお仕事が出来ていますがやはり会社員の時にはわからなかったような貴重な経験がたくさんありました。

その中でも特に「起業して失敗したなぁ」と思ったことを正直に書いていきます。

KEI

もしあなたが将来、独立起業しようとお考えなら参考になれば幸いです。

全然売れなかった起業1年目

ビジネスプランを考える

起業して失敗したなぁと思った一つ目は、起業一年目のことです。

会社員として働いていた約10年間の間の多くを東京で暮らしていた私は、大阪での人脈は地元の友達くらいしかいませんでした。

お客様が一人もいない状況ですので、まずはお客さんになってくれそうな人と出会う必要があります。異業種交流会に参加してみたり、ブログやSNSをつかって自分の宣伝をしてみたりと、できることをリストアップしてどんどんやってみました。

異業種交流会に行って知らない人と話すのは苦手だったんですが起業したてだったので頑張りました。ブログを書いてSNSにアップすることも何を書いたらいいかわからないし、毎日更新するのはかなり大変ですが頑張りました。

その努力や作業自体は別に苦ではなかったし、交流会で人と話したりブログに自分のことを書くことで大量のアウトプットをするので色々な気づきがあります。

 

しかしながら、この活動はお客さんになってくれそうな人を見つけるための営業やマーケティングの仕事なので、まだお金になる仕事を受注しているわけではありません。ということはこの活動だけではいくらやっても一銭もお金が入ってこないんです。

KEI

この時期がかなり精神的にキツイ・・・。

どんどん銀行残高が消えていきます。今までは毎月決まった日に決まった金額が何があっても振り込まれていたのが、会社を辞めた途端になくなります。

頭ではわかっていましたが、実際に経験してみるとお金がみるみる減っていくのは本当に恐怖です!しかもわたしは結婚していて子供もいますので家族の生活を守っていく責任があります。そんな起業1年目の時「失敗したかもしれないなぁ」と本気で思いました。

ビジネスの内容にもよると思いますが、お客さんが0の状態から起業を始めると、まずはお客さんを見つけたり自分のことを広く知ってもらうための営業・マーケティング活動が必要になります。

「起業1年目に失敗したなぁ」とならないための対処法としては、起業前からお客様や人脈作りを着々と進めていくことです。起業したタイミングではすでにお客さんがたくさんいて料金をしっかりいただける仕事が入ってくるようになっていれば理想です。

もしくは会社員のうちから副収入の柱(例えば、投資・アフィリ・ブログ・副業など)を築いておくことで、起業当初のお客さまづくりの時期でも資金をなるべく減らさずに生活をしっかりと成り立たせていくことができますね。

う〜ん、ぼくもやってれば良かった・・・。

 

お客さんが料金を払わない

デスクで仕事中

お仕事を受注してデザイン制作したデータを納品したのに、料金を支払ってくれないお客さんが今まで数人いました。

会社員であれば会社に守られているので、予定していた売掛金が入ってこなくともお給料を従業員に払わないと言うことはまずあり得ませんが、自分でビジネスをやっているとお金を支払ってくれないと何時間も何日もかかった仕事がタダ働きになってしまいます。

しかし、こんなケースも自分で解決しなければ誰も解決してくれません。

料金を支払わないお客さんは、納品後に音信不通になって電話も繋がらないしメッセージへの返信もないし既読にもならないという感じでしたので話し合うこともできないまま泣き寝入りしました。

KEI

ちゃんとは計算していませんが、多分合計20万以上は損していると思います・・・。

こんな失敗への対処法としては、事前に契約書をかわすことと、前入金もしくは着手時に半金を頂くなどといった支払いの決め事をしっかり作っておくことです。

特にデザインの仕事は形のある商品ではありませんので、お店で手にとってレジでお金を支払うといったわかりやすい支払い方法ではありません。自分でしっかりと決めておく必要があります。デザインに限らずコンサルティングやカウンセリングなどの無形商品でも同じことです。

ちなみに今は、着手時に全額か半金を銀行振込もしくはクレジットカード払いにしていますので安心です。

 

キーマンが退職して仕事がなくなる

仕事中にショックなニュース

起業時はお客さんが0からスタートしましたが、営業・マーケティング活動を地道に頑張ってお客さんを増やしてようやく売上が安定してきたのもつかの間。

年間で数百万の売上をいただいていて、ぼくにとっては太い収入の柱になっていた企業のキーマンが退職することになって、今まであった仕事がなくなり売上が大幅に下がってしまいました。

営業経験のある方ならわかると思いますが、決裁権のあるキーマンを押さえておくことが重要です。しかしそのキーマンが異動したり退職したり、いなくなった時のことも考えておく必要があります。

それはわかってはいたのですが、予想を超える展開でキーマンがいなくなり、お仕事をいただいていた部署ごとなくなるというものすごい環境の変化があって仕事がなくなってしまいました。

そうなるとまたお客さんを探さなければなりませんので、営業・マーケティング活動を増やすことになります。ここで大変なのは仕事が減っているので収入も減ってしまうけど、営業・マーケティングの活動は種まきなので収入にはならないというところです。

この失敗の対処法としては、収入の柱をいくつも用意しておくことです。

太い柱が3本だと1本がなくなってしまうと大きくグラついてしまいます(僕の状況ですね)。しかし細くてもたくさんの柱なら何本かなくなったとしても他の柱がささえてくれるのでびくともしません。

法人企業のお客さんがメインだった時は仕事の単価も大きかったので無くなった時のリスクが大きかったのですが、現在は個人のお客さんがたくさんいて一つ一つの仕事の単価はあまり高くはないけど、リスクが圧倒的に少ないので精神的にも安定しやすくなりました。

 

税金や健康保険料の金額にビックリ!

経費の計算

会社員の時には考えたこともなかった、税金・健康保険料・国民年金も自分で納めることになります。

毎年2月ごろに確定申告を税務署に提出して、6月ごろにその年度の金額が決定されて通知が送られてきます。

KEI

その金額にビックリしました!けっこう高いんです。

特にびっくりしたのは健康保険料です。前年度の収入をもとに計算されますので収入によって違いますが、年間でおおよそ20万円弱くらい納めた年は正直げんなりしました。

会社員の時は給料から引かれていたのであまり意識することがなかったのですが、自分のお金が20万くらい取られるとなるとなかなかへこみます。とはいってもしょうがないですが・・・。

 

また、前年は収入が高かったけど今年は収入が減った場合は、収める金額は前年基準で高いのに持っているお金は少ないという状況になってしまいます。健康保険料が高いということは当然税金も高くなりますので、売上が下がった年はなかなかお金のやりくりを考えねばならなくなって、精神的にも苦しかったですね。

失敗とは言えないかもしれませんが、こんな状況にならないための対処法としては

あらかじめ仕組みを知っておくことで精神的なショックや不安感を減らすことはできると思います。収入が高くなれば当然収める金額も高くなるのですが、低くなる場合もあり得ますのでそんな時は免除や減免の申請などを活用する手もあります。

税金のことは税務署、健康保険は役所、国民年金は年金事務所などに足を運んで質問をしたり相談することもできますので、必要になった時に困らないように情報を入手しておくとよいでしょう。

 

しかたなくバイトをしてみた時

アルバイト

売上が下がってしまい収入が不安定になった時アルバイトをした経験もあります。

この時面白かったのが職場の人間関係です。会社員の時は周りにいる人のほとんどが会社員です、しかし起業してからしばらくすると周りにいる人は起業家や経営者ばかりになりました。

職場に嫌な人や苦手な人がいてもうまくやっていかないといけないのが会社員ですしぼくも10年間そうしてきたのですが、個人でビジネスをしている起業家ってかなり自由な生き方で、自分が嫌なことはほとんどしないし嫌いな人や苦手な人と一緒にいることがありません。

僕自身もそんな感じで、自分が好きでもない人と時間と空間を共有しているのは人生がもったいないと思うほどでした。

でもアルバイトをすることになって実際に行ってみると、職場にはやっぱり嫌な人とか偉そうな人とか愚痴ばっかり言ってる人とか挨拶もしない人とか色々いるわけです。

そんな人たちが周りにいたことがもう数年なかったのである意味面白かったのですが、もう無理すぎてすぐに辞めてしまいました・・・。いつのまにか完全に社会不適合者になってしまっていたようです。

 

KEI

これに対する対処法は・・・特にありません^^;

個人的にはむしろそれで良いと思ってしまっています。独立起業するということは自分の裁量で自由に生きられるというメリットがありますが、自由に生きることが普通になりすぎて不自由で窮屈な社会には戻れなくなってしまうかもしれません。

それでもやってみたいという人がすればいいかと思います。

 

ちなみにその後、UberEatsという配達の仕事をやってみたのですが、これは意外にも楽しかったです。

職場もなければ同僚も先輩後輩も上司もいないので、わずらわしい人間関係なくひたすら仕事をすることができますし、なにより身体をおもいっきり動かすので鍛えるのにも役立ちました。

 

まとめ

この記事ではわたしが実際に起業してから「失敗したなぁ」と思ったこととその対処法をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

デザイナーという職業の場合は技術を身につけるための勉強やある程度の実務経験が必要ですが、ビジネスを始めるにあたっての初期投資はほとんどありません。ほかに例えば飲食店で開業される場合は最初の設備投資で数百万かかることもザラなので、失敗した場合には借金が残るというケースもよくあります。

起業する前にできる限りの準備はしていても、やってみないとわからないことが本当に多いのでそれなりにリスクがあることは間違いありません。どんなビジネスで起業するかによっても違うし場所によっても条件が全然違ってきますが、起業が成功した場合だけでなく失敗した場合のことも想定しておくのがおすすめです。

 

最後に、この記事は起業で失敗したことにフォーカスをあてた内容になっていますが、もちろんたくさんの良いこともあります。

自由な時間で仕事をして休みの日も自分で決められますし、自分の本当の実力や人間性などもためされるので人生を充実させる気づきに満ちていますので、わたし自身もこれからも自分のビジネスを続けていきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
また、お会いしましょう。