「説明がうまくできない」という悩みを、多くの社会人が抱えています。
しかし、その原因や解決策を知らないままにしていると、コミュニケーションやビジネスにおいて重要なチャンスを逃すことにつながってしまいます。
この記事では、説明が苦手な人が上手くできるようになるための3ステップや、説明ができない15の原因とその対策について詳しく紹介します。説明力を磨いて周りから評価されるような伝え方を目指していきましょう。
・説明のストレスを軽減する方法がわかる
・自分に合った対策方法を考えられる
Contents
説明上手への最短3ステップ
1. 説明がうまくできない原因を知る
原因を理解することが説明上手になるための第一歩です。
自分がどのような状況で説明が難しくなるのか、どのような誤解を招く可能性があるのかを把握しましょう。
2. 原因への対策を用意する
原因を理解したら、それぞれの原因に対する対策を考えます。
例えば、情報が整理できていない場合、事前に話す内容を整理する時間を設けることが有効です。また、専門用語が多い場合は、一般的な言葉で説明する練習をすると良いでしょう。
3. 用意した対策を実行する
対策を用意したら、それを実行します。
一度にすべてを改善しようとせず、一つずつ取り組むことが大切です。また、フィードバックを得ることで、自分の説明がどの程度伝わっているのかを確認し、必要に応じて対策を見直すことも重要です。
説明がうまくできない15の原因
説明下手な人に「あるあるな15の原因」から、自分がどのような課題に直面しているのかを把握して、それに対する具体的な対策を用意していきましょう。
- 思いつきで話している:
その場で思いついたことをそのまま話すため、話の内容が飛び跳ねてしまうことがあります。 - あいまいな感覚で話している:
具体的な事実やデータを示さずに、「多分」「おそらく」などの曖昧な表現を使って話すことがあります。 - 情報が整理できていない:
話すべき情報が頭の中で整理されていないため、相手に混乱を与えることがあります。 - まとまりなく長々と話している:
話のポイントが明確でなく、話が長くなりがちです。相手は話の要点をつかみにくいです。 - 細かい情報を口頭で伝えている:
細かい情報を一度に伝えると、相手はそれをすべて覚えることが難しくなります。 - 主張に根拠がない:
自分の意見を述べるときに、それを支える証拠や根拠が不足していることがあります。 - 事実と感想が分けられていない:
客観的な事実と主観的な感想を混同して伝えるため、相手はどれが事実でどれが感想なのかを理解するのが難しくなります。 - 説明の順番がわるい:
話す情報の順序が適切でないため、相手は話の流れを理解するのが難しくなります。 - 相手と話がかみあっていない:
相手の反応を読み取ることなく一方的に話すため、コミュニケーションがうまくいかないことがあります。 - 人前に出ると委縮してしまう:
人前で話すときに緊張してしまい、自分の意見をうまく伝えられないことがあります。 - わからない専門用語が多い:
相手が理解できない専門用語を使うため、話の内容を理解するのが難しくなります。 - 話にメリハリがない:
話のテンポやトーンに変化がないため、相手は話に集中するのが難しくなります。 - 準備不足であたふたしている:
話す内容について十分に準備していないため、話が混乱してしまうことや、立ち居振る舞いからなどから、準備不足を相手に感じさせてしまいます。 - 知識がない相手に伝わらない:
相手の知識レベルに合わせずに話すため、相手は話の内容を理解するのが難しくなります。 - そもそも理解ができていない:
自分自身が話の内容を完全に理解していないため、相手にうまく説明することができません。
15の原因を改善する対策
それぞれの対策を詳しく紹介していきます。
1. 思いつきで話している
話す内容を事前に準備しておきましょう。
話す内容をノートやパソコンなどに書き出しておくための時間を設けて、流れを作っておくことで改善が容易になります。
2. あいまいな感覚で話している
具体的な数字やデータを用意しましょう。
例えば「可能性が高い」⇒「85%の確率を示している」などと明確な数字を使って説明したり、グラフや表などを見せて説明しましょう。
3. 情報が整理できていない
まずは「類似性」のある情報をグループ化します。
重要度と緊急度のマトリクスを使って、情報を4つのグループに分けるだけでも、かなり整理されていきます。何をどう分ければいいのかわからない場合は、フレームワークを調べて使ってみてください。
例えば、服をしまう時に季節や用途で分けてタンスやクローゼットに入れておくことで、必要な時にすぐに取り出したりTPOに合わせて組み合わせを考えたり、スムーズに出かけることができます。情報の場合も、情報同士の「関連性」と「階層性」をみつけて仕分けしておくことで、相手やシチュエーションに合わせて瞬時に情報を組み立てて、最適な説明を提供できるようになります。
4. まとまりなく長々と話している
最も重要なメッセージを明確にしましょう。
仮に、話せる時間が10秒しかないとしたら何を伝えるか?と考えて、重要な情報を絞り込み、それを中心に話す内容を組み立てます。
また、相手の時間を大切にするという意識も大切です。上司や決裁者は多忙な場合が多いので、時間という貴重なリソースをムダに削られることを嫌います。
5. 細かい情報を口頭で伝えている
細かい情報は資料で伝える。
仕事の手順や設備の操作方法など、細かい情報が多い場合はマニュアルなどの資料を作成して、特に重要な部分について口頭でも伝えるようにしましょう。
報告内容に複雑で細かい数字が多い場合も、表やグラフを用いた資料を用意して、見せながら説明すると伝わりやすくなります。
6. 主張に根拠がない
仕事で自分の主張や意見を述べる際には、常に根拠を用意する癖をつけましょう。
客観的な事実・数値データ・研究結果や論文・専門家の意見などが根拠になります。また、根拠とする情報の信頼性を確認することも重要です。できるだけ複数の情報源から根拠を用意しておくと確実性が増します。
7. 事実と感想が分けられていない
まずは自分の頭の中で、情報をしっかりと分けることが重要です。
その上で話す際に、事実の情報については「データによると…」「最新の研究結果では…」などのように表現する。感想については「私の見解では…」「私は…と感じます」などの前置きをしてから話すと、明確に情報を区別して伝えることができます。
8. 説明の順番がわるい
説明の順番の組み立てにはPREP法がおすすめです。
要点→根拠→具体例→要点の順番で情報を整理して、それを基本形にしながら、説明する相手が知りたいであろう情報に合わせて、順番を調整しながら伝えてください。
基本的には、結論から話すのが良いとされていますが、そうではない相手やシチュエーションもありますので応用も必要です。
9. 相手と話がかみあっていない
説明を聞いている相手の反応を読み取りましょう。
表情や態度から読み取ったり、質問を投げかけることも有効です。必要であれば補足の説明を加えたり、説明のスピードを調整したりします。
また、事前に目的と相手の知識レベルや状況を理解しておくことも重要です。相手が上司である場合は、上司の立場や視点、置かれている状況を考慮して話すことが、スムーズな理解や高評価につながります。
10. 人前に出ると委縮してしまう
一番の対策は、場慣れすることだと私は思います。
数をこなして慣れていくことで緊張感が軽減していき、普段に近い感じで話せるようになっていきます。すぐに効果がある対策としては、資料を用意することです。口頭で伝えなければならない負担を減らすことができます。
ちなみに、相手が気難しい人やいつも怒っていて周りを委縮させるような人であれば、それは相手に問題があります。
11. わからない専門用語が多い
小学生にでも伝わる言葉で話すように心がけましょう。
専門用語を一般的な言葉に置き換えて説明することが重要です。知らない言葉や意味が分からない言葉があると、説明を理解することができず途中で意識が離れてしまいます。
専門用語を使用する必要がある場合には、その定義や意味を詳しく説明してから本題に入っていくようにしてください。
12. 話にメリハリがない
重要なポイントを強調して伝えてください。
そのためには、話のテンポを変えて重要なポイントでは話す速度を落とす。声のトーンを変えて重要なポイントでは声を大きめに明るめに話す。身振り手振りを使って重要なポイントと他の情報との違いを表現する。
資料やスライドを使える場合なら、重要ポイントということを伝えるために全面に写真を使って印象付ける。などの手法が有効です。
13. 準備不足であたふたしている
リハーサルの時間を確保して練習が必要です。
練習に付き合ってくれる同僚や友人に頼んでみたり、誰もいなくても1人でリハーサルをしてみましょう。初めは面倒だと感じるかもしれませんが、一通り話してみるとうまく話が繋がらない所や矛盾点などに気づくこともあります。
例えば、本番と同じように資料を配布するところから実際に動きながら話すなど、リアルにシミュレーションしてやってみてください。
14. 知識がない相手に伝わらない
相手が既に知っていることに例えて伝えましょう。
例えば、キングコングの西野氏は自身の「オンラインサロン」を年配の方に説明する際には「ファンクラブ」のようなものだと例えていたそうです。
聖書に登場するイエス・キリストは、自分に「与えられた才能や個性」を活かして生きることを「従者が主人から預かったお金(タラント)の管理」に例えて話したり、知識のない一般の人々に様々な例えを使って伝えています。
15. そもそも理解ができていない
積極的にアウトプットしてください。
自分が理解できていないことを、相手にうまく説明することはできません。しかし、理解できていなかったことに気づくのが、人に説明するタイミングだということが少なくありません。
何かを伝えることによって、その過程で自分自身の理解度を確認することができますので、常に何らかのアウトプットを心がけていくと、その分野に対する理解が深まっていきます。
説明がヘタな営業マンの例
この例は、わかりやすいように極力シンプルにしていますが、こんな風に聞きたい事と話したい事がずれている報告や説明が、ビジネスの現場でよくあるのではないでしょうか。
質問している上司は、まず今日の商談の結果を知りたい。しかし、報告している部下は商談の中で知らされた担当者変更への心配で頭がいっぱいです。
しかも、この場合は上司がストレートに「商談の結果はどうだった?」と聞いているのに、その質問に答えず自分の話したい事を話してしまっています。
誰しも自分の話したい事を聞いてもらいたい気持ちや、心配事などの感情が動いた出来事に共感してほしいという気持ちがあるのは当然ですが、上司や取引先などの相手が知りたい情報は何なのか?ということを考えてコミュニケーションを取った方が、評価につながるでしょう。
ただし、知りたい事をストレートに質問してこない人もいるので、推測したり仮説を立てることが必要になることもよくあります。
例えば、会社の決算月が近づいていて今期の営業成績が上司が役員昇進するためにも重要であろうと推測していたら、上司から聞いてこなくても欲しい情報を伝えてあげると喜ばれて好印象が積みあがっていくでしょう。
部下A:質問していることに答えず、自分が話したい事を報告する
部下B:質問したことにすぐ答え、そのあとに他の情報も報告する
部下C:質問する前に知りたい事を報告してくる
上記のような3パターンの部下がいたとしたら最も評価されやすいのは部下Cさんです。これは上司と部下の関係だけでなく販売員や営業でも同じことで、聞いたことにちゃんと答えない販売員や知りたくもない事を説明してくる営業マンと話したいとは思わないでしょう。
自分が欲しいものや役立つ情報をくれるから「この人わかってるな!」と評価されるわけですので、相手の関心ごとや仕事に興味を持つことが、評価される報告や説明にもつながっていきます。
わたしも説明がうまくできない人でした
話している途中でわからなくなる
人に何かを口頭で説明する時、話している途中で話がズレて自分でも何を話しているのかわからなくなることがよくありました。
話す事に自信が持てなくて、失敗して更に苦手意識を持ってしまい、負のスパイラルにはまっていくように感じていた時期も長かったです。
周りを見ていると、人と話す事に何の抵抗もない人、むしろ人と話すのが好きな人や、人前に立って自分の存在をアピールしたい人などもいて、そういう人たちと自分を比べて惨めな想いを感じたことも何度もあります。
強みを活かして資料で伝える
話して伝えることは苦手でしたが、私の場合はパソコンで資料をキレイに作ることが得意で、性格的にも作業に没頭して何かを作る事に向いていることに気づいたので、自分が得意な「説明資料の作成スキル」を磨いて弱点をカバーすることにしました。
準備に時間はかかりますが、内容がしっかりまとまった資料を用意しておけば、話して説明するという苦手なことを必要最小限にできますし、資料という台本があるので途中で迷子になる事もありません。
説明できない悩みがスッキリ解決とまではいきませんが、相手に情報をしっかり伝えるという目的を達成できれば、話して伝えるというひとつの手段だけに囚われず、資料やそのほかの手段を使う事も考えた方が、より良い説明ができるようになります。
営業成績TOPになることができた
もともと話すのが苦手で「説明できない」という悩みを持っていた私ですが、資料作成スキルを伸ばしていくことで伝える力、プレゼンテーション能力も向上していき、会社で営業成績TOPという実績を残すこともできました。
話して伝えることに向いている人や、外交的なタイプは話し方をさらに磨いて強みを強化していけばよいと思いますが、話す事よりも資料を作成して伝える方が向いている私のようなタイプも沢山いると思います。
ご自身の強みを活かした方法で、説明やプレゼンテーションの力を高めて頂きたいと願っています。
説明がうまくできない人は「資料」でもカバーできる
説明が苦手な人にとって、資料は伝えるための強力なツールです。
資料がわかりやすく伝えてくれる
資料を用意しておけば話すだけでなく資料で伝えることができます。
文章だけでなく、グラフや図解など視覚的な要素も見せることができるので、相手にわかりやすいと感じてもらいやすくなります。また、資料をつくりこんでいく過程で情報の整理や理解が必要になるので、伝える内容の準備もしっかりとできます。
苦手な話すことを最小限にできる
話すことが苦手でも、資料を活用すれば口頭での説明を最小限にできます。
資料に情報を詳細に盛り込み、必要なポイントを強調しましょう。苦手な説明のストレスを減らしつつ業務を遂行できます。
相手を見ずに資料を見ながら話せる
資料を用いると、相手を見ずに資料を見ながら説明することができます。
これは、コミュニケーションの不安を感じる人にとって特に有用です。資料にフォーカスし、自分のペースで情報を伝えましょう。
資料作成は説明力向上の有力な手段であり、説明が苦手な人にとってストレスを減らして自信を持たせる効果もあります。適切な資料を作成し、情報を効果的に伝える方法を習得しましょう。
まとめ:説明上手は準備が9割
この記事では、説明がうまくできない15の原因と対策、資料作成でカバーする方法などをお伝えしてきました。
具体的には様々な方法がありますが、最も大切なのは事前にしっかりと準備をすることに尽きます。口頭で伝えるのか、資料やスライドを使って伝えるのかなどのシチュエーションの違いもありますが、結局のところ、相手の知りたいことや置かれている立場や状況、知識レベルなどを事前に把握して、適切な言葉や順番を準備しておくことが、相手にわかりやすいと評価される説明につながります。
もちろん、話し方教室などに通って、声の出し方や身振り手振りなどのテクニックを学ぶことも役立つでしょう。大切なのはあなた自身の強みや適性にも合った方法を見つけていくことです。あなたの説明やビジネスの成功を願っています!
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