リーダーシップの悩みを解決する方法が詳しく書かれた、吉田幸弘氏の著書「リーダーシップは見えないところが9割」を参考に、心理的安全性の高め方やリーダーシップのコツについて紹介いたします。
・リーダーシップを学べる本の情報が得られる
・Z世代や年上部下への対処のヒントが得られる
Contents
心理的安全性の高め方
企業や医療機関など、様々な職場のマネジメントに重要視されている「心理的安全性」を高めることは、働く人のパフォーマンスや定着率の向上などが期待できます。
4つの不安を取り除くことが必要
心理的安全性を提唱しているエイミー・C・エドモントン氏は、部下の4つの不安を取り除く事が重要であるとしています。
- 「無知」と思われないかという不安
- 「無能」と思われないかという不安
- ネガティブに思われないかという不安
- 邪魔していると思われないかという不安
職場のリーダーが心理的安全性を高めたい場合、上記の不安を取り除くように関わっていく必要があり、その具体的な方法として「リーダーシップは見えないところが9割」に書かれた内容を要約して紹介します。
無知の自己開示と失敗の自己開示
できるリーダーこそ、自分の無知な部分や失敗経験を部下に開示して、報告や相談をしやすい環境を作っている。
わからないことを部下に質問する
「こんなこと聞いても大丈夫なのか」といった部下の不安を取り除くため、リーダーも普段から部下に質問する。
わざと臆病な面を出す
リーダー自身の臆病な面や過去のエピソードを開示して、部下の不安や恐怖を和らげる。
ネガティブな意見も受け止める
リーダーに対して、部下や他部署のメンバーが反対や批判的な意見をしてくる場合にも、怒るようなことをせず素直に受け止めるための心の準備が(見えないところで)できている。
この本で吉田幸弘氏が伝えたいこと
この本を通じて、著者が読者に伝えたいメッセージを要約すると「最高のリーダーは、見えないところを大切にしている」です。
できるリーダーに共通している見えないところの準備や工夫を学んで取り入れることで、部下の成長や職場の定着率などリーダーとしての見える部分の成果につなげるのが、この本の目的と考えられます。
吉田幸弘氏の経歴
著者である吉田幸弘氏の経歴を簡単に紹介します。
- 大手旅行代理店にて、法人営業を経験
- 学校法人へ転職し、新規開拓営業とリーダー職を経験
- 外資系企業へ転職し、リーダー職と降格人事を経験、その後マネージャーに再昇格
- 2011年にリフレッシュコミュニケーションズを設立し、代表取締役に就任
- 現在までに17冊のビジネス書を執筆し、全国の企業や団体などへの講演・研修・コンサルティングを提供している。
本の基本情報
- タイトル:リーダーシップは見えないところが9割
- 著者:吉田幸弘
- 出版社:青春出版社
- 発売日:2024/5/7
- ページ数:208ページ
- 寸法 : 10.8 x 1 x 17.4 cm(新書)
- ISBN-10 : 4413046951
- ISBN-13 : 978-4413046954
リーダーシップがうまくいかない原因【要約・図解】
普段から接しているはずの部下のことをよく知らない(興味がない)、部下の成熟度に合わせた関わり方をしていない、マイクロマネジメントしているなどの部下に対する理解不足や、リーダー自身が実務を頑張りすぎていて、周りの部下が活躍しにくい雰囲気をつくってしまっているなど
リーダーシップがうまくいかない原因には様々なものがあります。リーダー自身や職場に当てはまっている課題を見つけて、解決策を用意しておくことが必要となります。
この本で学べるノウハウ【要約・図解】
部下ノートに書いておく内容、部下から失敗の報告を受けたときや否定されたときにどう伝えるか、サーバントリーダーシップに必要な8つの要素(傾聴力・フィードバック・心理的安全性・納得・裏方役・成長へのアシスト・チームの環境づくり・平常心)など
部下に対する効果的な関わり方や、見えないところでどんな準備をすればいいのかが学べます。
まとめ・どんな人にオススメか【図解】
心理的安全性を高めたい方や、サーバントリーダーシップを学びたい方、指示待ち部下・Z世代部下・年上部下などとの関わり方に課題を感じている方におすすめの一冊です。
結果がわかりやすい見えている部分だけでなく、そこに至るまでの準備や普段から身につけておく習慣など、現場でリーダーとして働いている多くの方々に、役立つ情報が届くことを願っています。この記事の最後に、本の詳細な目次も紹介しておきますので本選びの参考にしてください。
リーダーシップは「見えないところ」が9割 目次
はじめに
3万5000人の管理職を見てきてわかった、できるリーダーの共通点
第1章 リーダーシップは「見えないところ」で差がつく!
- 「指示命令型リーダーシップ」の限界
- 「共感」で人を動かす新しいリーダーシップ
- あえて「自分でやらない」勇気を持つ
- 最高のリーダーが「見えないところ」を大切にする理由
第2章 できるリーダーは部下の「ここ」をこっそり見ている
- 部下のモチベーションを上げることは不可能!?
- リーダーがひそかにつけている「部下ノート」の中身
- 部下を知れば、部下を動かす伝え方がわかる
- 部下の成熟度によって対応を変える
- 「部下に仕事を任せられない」心のブロックの外し方
- できる部下に仕事を集中させていないか
- 近年増えている「年下部下」を味方につける方法
- 「Z世代」の若手部下に響くキーワードは「社外」
- 部下の仕事に干渉しすぎない
第3章 リーダーのフィードバックは「準備」が9割
- その「ほめ方」では、かえって部下の信頼をなくす!
- リーダーが10%だけプレイヤーの仕事をすることのメリット
- 部下の「臨機応変力」を育てるには
- 叱るにも「準備」が必要
- メールやチャットでのコミュニケーションの注意点
第4章 上司や他部署に味方されるリーダーの「気づかい」
- 上司に貢献できるリーダーは、結果的に得をする
- できるリーダーが兼ね備えている「批判力」
- 上司のタイプによって、リーダーの役割も変わる
- 「上司マーケティング」のすすめ
- 上司にも気分の波はあって当然
- 上司が信頼しているデータを使って話す
- 「採用された企画」には、仕事のヒントが隠れている
- 意外と知らない他部署の「評価基準」
- なぜ、あのリーダーは他部署に協力してもらえるのか
第5章 リーダーが「見えないところ」でやっている仕事の工夫
- リーダーの仕事の仕方はチーム全体に影響する
- その仕事は、本当に必要なのか
- 仕事のムダを洗い出す方法
- 業務の「断捨離」を考えてみる
- メールに埋もれないための「マイルール」をつくる
- 忙しいリーダーこそ「サボり時間」が必要な理由
- 「隙間時間」にやることを決めておく
- ぶっ続けで働くのは、実は非効率!?
- できるリーダーは単純作業だって手を抜かない
- コストを意識しすぎることの落とし穴
- 午後イチのアポを積極的に入れる
- 「速く」よりも「早く」を目指す
第6章 リーダーの「自分を整え、高める」秘密のルーティン
- できるリーダーはこんな「儀式」を持っていた!
- どんな時でも平常心を保てる理由
- リーダーが「見えないところ」でやっている感情整理
- 心を切り替えるクールダウンの「儀式」
- 自分のイライラしやすい時を知っておく
- リーダーは自分を成長させるために本を読む
- 「人間力」を学べる二大ジャンル
- 1冊読了するよりも大切なこと
- 仕事に即効!「アウトプット読書術」
第7章 チーム力を高めるリーダーの「見えない」習慣
- できるリーダーほど自己開示がうまい
- 「心理的安全性」が高い職場をつくる方法
- ネガティブな意見も、こう考えれば受け止めやすい
- まずリーダーが「時間外」出勤、メール対応をやめる
- リーダーの成功体験をチームで共有する
- 優秀な社員の仕事のやり方は最高の教材
- 部下が勝手に育つ「仕組み」をつくる
- 次のリーダー「ナンバー2」の育成にも力を注ぐ
- ナンバー2に向いているのはどんな人?
- ナンバー2を伸ばす仕事の任せ方
- 人が辞めないチームマネジメントの極意
- 会議を有意義なものにするヒント
- 「議事録」に時間をかけすぎていないか
- コミュニティーの「鮮度」を保つコツ