自己肯定感の第一人者として活躍されている中島輝さんの著書「何があっても大丈夫と思えるようになる自己肯定感の教科書」を要約して紹介いたします。
この記事は、本を通じて著者が読者にどうなってほしいのか、本の目次構成、自己肯定感が低い原因、自己肯定感を高める方法にわけてシンプルにわかりやすく構成しました。自己肯定感に関する悩みを持つ方がご自身に合った本を見つけるための助けになれば幸いです。
Contents
要約:著者(中島輝さん)の伝えたいメッセージ
この本を通じて著者が読者に伝えたいことを要約すると「自己肯定感を持って、自分は何があっても大丈夫と思えるようになってほしい」です。
「何があっても」というのは、日々の仕事や生活の中で失敗や嫌なことがあって、心の状態が下がってしまってもという意味で、本の内容を学び実践することで、読者が自己肯定感を高めて「大丈夫と思える」状態になって欲しいという思いで書かれた本です。
中島輝さんの経歴
著者自身も、自己肯定感の低さなどによる心の苦しみを経験してきて、自分が試したことやクライアントにすすめて効果を上げてきた手法や考え方を、本書の中で数多く紹介されています。
本の目次構成
本書の目次構成は以下のようになっていて、1章と2章は自己肯定感に関する解説、3章と4章は実際に自己肯定感を高めるためのワークやクライアントからの相談事例が紹介されています。
第1章 自己肯定感の知っておきたい3つのこと 人生は自己肯定感で10割決まる
・1つめ 自己肯定感は揺れ動く
・2つめ 一瞬で高まる、少しずつ高まる
・3つめ ムリに高めようとしなくていい
第2章 自己肯定感ってそもそも何? 自己肯定感を構成する“6つの感”とは?
・自尊感情 自分には価値があると思える感覚
・自己受容感 ありのままの自分を認める感覚
・自己効力感 自分にはできると思える感覚
・自己信頼感 自分を信じられる感覚
・自己決定感 自分で決定できるという感覚
・自己有用感 自分は何かの役に立っているという感覚
第3章 自己肯定感が一瞬でパッと高まる方法 かんたんに今すぐできる小さなコツ
・ウィークデーに自己肯定感を高めるワーク
・ウィークエンドに自己肯定感を高めるワーク
第4章 自己肯定感をじわじわと高める方法 自己肯定感の基礎体力をつくる3つのステップ
・ステップ1 「自己認知」の3つのトレーニング
・ステップ2 「自己受容」の3つのトレーニング
・ステップ3 「自己成長」の3つのトレーニング
・サポートトレーニング 「負の感情をコントロールする」3つのマネジメント法
要約:自己肯定感が低い(弱い)原因
本書の中で自己肯定感が低くなってしまう原因として紹介されていることは大きく分けて5つあります。
1. 生まれ育ちや周りの環境
生まれ育つ過程で自己肯定感が強くたくましく育つ人もいれば、弱く揺らぎやすく育つ人もいます。また日本の社会は自尊感情が傷つきやすい構造を抱えているので、環境的な要因で自己肯定感が低くなっている。
2. 過去の失敗やトラウマ
失敗経験やそれに関連する感情などに強く囚われていて、肯定的に考えることができない。
3. 他人との比較や劣等感
他人の優れた所と自分を比べてしまい自分を否定している。他者の良い所も自分の良い所も認めることが大切。
4. 調子が悪い日がある
自己肯定感は常に上下動するものなので下がっている日がある。今の自分の状態に気づきフラットな状態を意識することが大切。
5. 負のスパイラルに陥っている
自己肯定感が低く自分に価値を感じられないため承認欲求で他者に依存的に行動するが、無力感を感じてさらに自己肯定感が下がってしまう悪循環に陥る。
要約:自己肯定感を高める方法
本書では、自己肯定感を高めるための数多くの手法(ワーク)が紹介されていて、瞬発型と持続型の二つに分類されています。
瞬発型のワーク(自己肯定感がパッと高まる)
1 「ヤッター!」のポーズ
2 鏡のなかの自分にポジティブな言葉をかける
3 好きな風景のポスターや絵を玄関に飾る
4 少しだけ歩いてみる
5 「私ってイイ人!」思って挨拶をする
6 トイレで手のツボを触る
7 仕事のデスクの上に好きな小物を置く
8 PCから目線を外して眼球を休ませる
9 好きなものだけを見る時間をつくる
10 仮眠をとる
11 おやつを食べる
12 立ち上がってみる
13 良好な関係の人と話す
14 寄り道をする
15 バスタイムに目のヨガをする
16 セルフハグ
17 明日、着る服を決めておく
18 十分な睡眠をとる
19 休日だからこそ、早起きをする
20 自分で決めて、楽しく実行する
21 5分だけ掃除をする
22 夕暮れどきは、明るいところに行く
23 30秒のマインドフルネス瞑想法
24 自己肯定感体操
持続型のワーク(自己肯定感がじわじわ高まる)
「ライフチャート」──あなたの現在地を描き出す
「レファレント・パーソン」──セルフイメージを高める
「課題の分離」──問題を切り分けてスッキリさせる
「タイムライン」──あなたの目指すべき方向を見いだす
「リフレーミング」──潜在意識からポジティブチェンジする
「if-thenプランニング」──問題を乗り越え、やり抜く力を身につける
「タイムライン」──あなたの目指すべき方向を見いだす
「リフレーミング」──潜在意識からポジティブチェンジする
「if-thenプランニング」──問題を乗り越え、やり抜く力を身につける
「スリー・グッド・シングス」──アファメーションで無意識から変わる
「冒険ノート」──ピグマリオン効果で自己肯定感を育てる
「イメトレ文章完成法」──アファメーションで成功へと導く
「エモーショナル・スケーリング」──負の感情をおさめる
「脱フュージョン」──ネガティブな感情を遠ざける
「ポジション・チェンジ」──不安や怖れをとり除く
瞬発型も持続型も小さな習慣を大切にする
上記のワークに取り組んだり自己肯定感を高めていくために大切なことは、スモールステップの原理を活用して小さな成功体験を積み重ね、脳の報酬系を満たしながら習慣化することです。自分に合った方法をできる事から少しずつ取り組んでいくことで、6つの感が高まり自己肯定感が強く育まれていきます。
書評(まとめ)
「何があっても大丈夫と思えるようになる自己肯定感の教科書」の内容を要約して紹介いたしました。
他にも、私が個人的に良かったと思った点は「自己肯定感が弱い人は心の痛みを沢山経験するので、人の心の痛みも理解できて人にやさしくなれる長所を持っている」という著者のメッセージでした。今は自己肯定感の弱さに苦しんでいても、それも長所になるという考えにも、救われる方が多いと思います。
この本は、自己肯定感をテーマに書かれた本の中でも代表的な作品であり、既にたくさんの方の心の苦しみを軽くしている本です。著者自身の経験やカウンセリングの現場で実際に活用されている多くの手法(ワーク)も知ることができるので、自己肯定感を高めるための方法を実際に試したいと考えている方にとって最適な本であると思います。
良かったらAmazonや書店でさらに詳しく確認してみてくださいね。