商業出版決定までのロードマップと反省点|出版塾のウラ話

長年の目標だった商業出版を実現できたプロセスや、出版塾に企画アドバイザーとして関わっていて得た気づきなどを情報共有する記事です。

商業出版を目指す方の、しなくてもよい余計な失敗を防ぎ、目標を実現するためのヒントになれば幸いです。

KEI

個人起業家向けの内容になっています。

出版塾で企画の助言をしています

現在わたしは、吉田幸弘さんの出版塾にて企画アドバイザーとして、受講生さんの出版企画への助言をさせて頂いています。出版塾では毎月オンライン講座や企画発表会が開催されているので、様々な方の出版企画に目を通して、出版を実現していただくために全力でフィードバックをしています。

出版企画の場合は、何よりも編集者さんにOKをもらわなければならないので、編集者の視点で考えていくことが不可欠です。営業やマーケティングの世界では「お客様視点の提案」が必要とよく言われますが、出版企画は出版社に勤める編集者さんに提案をするので、編集者視点が必要なのです。

そのため、わたしも編集者視点を理解しようと日々努力しています。既に17冊もの商業出版を経験されている吉田さんはもちろんのこと、その他のベテラン著者からお話を聞いたり、編集者が情報発信しているブログやNOTEを読み漁ったりしています。

わたし自身は2023年1月から出版塾の0期生として受講しはじめ、2023年9月ごろに企画が通って商業出版を実現するに至りました。その後、吉田さんのご厚意により同塾の企画アドバイザーとして皆さまの企画にフィードバックをしています。

マイ・ロードマップ

人によって商業出版に至る道は様々ですが、わたしの場合は以下のような流れでした。

  1. 目標設定「そろそろ出版したい!」
  2. 迷走期間「書きたい企画にこだわりすぎ」
  3. 出版塾で企画のポイントを学ぶ
  4. ニーズを満たす強みの再発見
  5. 企画書の完成
  6. 出版社へアプローチ
  7. 執筆期間

1〜7のステップを詳しく紹介していきます。

1. 目標設定「そろそろ出版したい!」

初めて出版企画書を作ったのが、2019年でその前年あたりから出版したいという目標を持ちはじめました。その時から数えると、目標の実現まで5~6年くらいなので、かなりの時間がかかっています。よく言えば、焦らずじっくりと周りを見渡して、たくさんの情報を収集しながら安全運転で進んできたような感じですが、人によっては目標達成が遅すぎると感じる方もいるでしょう。

あくまで私の場合の結果論になりますが、ゆっくり進んできて良かったと思います。最短最速で目標達成することも素晴らしいと思いますが、あまりに目標に意識を向けすぎると、それ以外のところで大切なことを見落としてしまうこともあるものです。ただ、必要でなかったムダな寄り道や迷い道もたくさんしてしまったので、この記事ではそれらの失敗についても紹介していきます。

2. 迷走期間「書きたい企画にこだわりすぎ」

過去にボツった企画を振り返ると、自分が書きたいことにこだわりまくっていて、今見るとかなり痛々しいです。

まだ一冊も本を出してもいないし、有名人でもない一般ピープルなのに、書きたいテーマにこだわっているため、ビジネス書・実用書の市場のニーズとマッチしていないのです。

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昔の自分の企画書に、徹底的にダメ出ししたくなります。

企画書やプレゼン資料作りには慣れているので、資料の体裁も整っているし、セミナーや研修もしてきたのでコンテンツ内容もそれなりにまとまってはいるのですが、売れる本の研究がおろそかでした。これが企画を通すために最も大切なポイントなのに、それが抜け落ちていたために、企画がボツりまくりでした・・・。

3. 出版塾で企画のポイントを学ぶ

様々な企画を作ってはボツになるということを繰り返したあと、出版塾に入って企画書と著者プロフィールのつくり方を学びました。また、受講者同士でフィードバックをする機会もあったので、自分の企画力を磨くためにも同級生の出版実現のお役に立つためにも、徹底的に出版業界のことを調べて、今売れている本もたくさん読むようにしました。

お恥ずかしい話、それまであまりビジネス書を読むことがなかったのです。20代の頃、広告制作会社に務めていた頃は、いつもビジネス書を読んで勉強していたのですが、30代になって独立してからは、ほとんどビジネス書を読むことがなくなっていきました。

日々の実務をこなしていくには、自分の持っているノウハウでほぼ問題なくできるし、新しい情報や細かい情報はネットで調べるほうが早かったからです。

しかし、ビジネス書を作るためには、やはりビジネス書を読んで研究する必要があります。今の読者がどのようなことを求めていて、どのような内容が喜ばれているのかを知っておかなければ、読者のニーズとズレたものになってしまいます。また、どの出版社がどのような企画に力を入れているのか、どんなテーマの本が得意なのかも調べておかなければ、出版社・編集者に合った企画を提案することができません。

著者が本で提供するコンテンツの専門家であることは当然のことながら、それだけでなく読者の視点編集者の視点から本づくりを考えていく必要があることを学びました。

4. ニーズを満たす強みの再発見

それまでこだわっていた企画を全て捨てて、ビジネス書の市場ニーズに合っていて、なおかつ自分の強みが活かせるテーマを選ぶようにしました。

これは、自分だけではできなかったと思います。本づくりに限らず自分では自分のことがわからないので、盲点となっていることが多いのです。その道のプロに相談したり、市場と自分自身を深掘りして見つけていかなければならない人もいれば、直観やひらめきか何かのお導きで自然とそれを選んでいる人もいるようです。

私の場合は「プレゼン資料のデザイン」でした。

どう見ても自分にぴったりのテーマなのですが、そのことが自分ではわからなかったのです。なぜなら私は、会社でプレゼンや資料作成の仕事をしていた頃、いつも大量の仕事に追われっぱなしで、必死に作業をこなしても終電でも帰れなくて、オフィスにイスを4つ並べて死んだように眠って、またひたすら働き続けていただけの日々だったのです。

何か大きな実績を上げたくて頑張っていたわけでもなく、キャリアアップするためにスキルや経験を積み上げようとしていたわけでもなく、ただただ仕事を終わらせて今日こそは家に帰って寝たいと思って、ゾンビのように働いていました。(最終的に壊れました)

という感じで、死なないために頑張っていただけというのが本音で、自分でスゴイとも何とも思っていなかったどころか、ツラくてあまり思い出したくない日々だったのです。ところが、それを元同僚でコンサルタント兼コピーライターの今野富康さんが「スゴイですよ」と言ってくれたのがきっかけでした。

記事が長くなってきたので、続きの「5. 企画書の完成」以降のステップの内容については、また明日に書きます。

KEI

ここまでお読みくださり、有難うございます。