スタッフが突然のメンタル不調、もしかしてうつ病?
急に会社へ来なくなって連絡もして来ないスタッフ。「どうしたんだ。なぜ連絡すらして来ないんだ?」と思っていたら、スタッフからメンタル不調を訴えてきた。(わたしは管理職時代に本当にありました。)
そんな時、上司はどう対応すれば良いのか対応方法を紹介していきます。
すぐに行うべき3つのこと
話を聴く
メンタル不調を訴えて来ているスタッフはとても不安定な精神状態である可能性があります。上司は自分自身の仕事をいったん脇においてしっかりと時間をとって話しを聴くことが必要です
話を”聴く”ことは、ただ単に”聞く”ことではなく相手の気持ちを受け入れて話に耳を傾けることです。
その時大切なのは、相手の困っていることを無理に解決をしたりアドバイスをしないこと、相手が感じているであろう気持ちや感情をわかってあげるようにしてください。それだけで心が少し癒やされることもあります
休ませる
メンタル不調はいわば心が疲れている状態なので有給制度などをつかってしっかりと休ませてあげましょう。職場で過度なストレスを感じている要因から離れることで心も身体も休まるので元気を取り戻してくれるかもしれません。
病院に行かせる
「疲れているようなので、専門家へ相談に行ってみてはどうだろう」
「仕事に支障がでるかもしれませんので、検査へ行ってみてください。」
など間接的に相手に伝えるようにして病院などへいくことをすすめてください。
スタッフからのメンタル不調の訴えに対して、上司は職場の問題ととらえて解決方法をいそぐよりもまずはスタッフの心を癒やすように接してあげてほしいと思います。
経営者(上司)自身が抱え込まない(専門家へ相談する)
「メンタル不調になったスタッフをなんとかケアしなければ!」
「メンタル不調者をうみだしてしまったのは上司である自分の責任だ!」
などと、上司が責任を感じすぎて抱え込むことはスタッフのメンタル不調に必要以上に巻き込まれて最悪の場合上司もメンタル不調になってしまう危険性があります。
わたしが以前、広告業界の管理職として働いていた時、スタッフの1人がうつ病になってしまい色々な人に相談した時に産業医など専門家からもらったアドバイスも
「まずは、あなた自身が抱え込み過ぎるのはよくない。」
「病院など専門家からの指示に従ってください。」
というようなものでした。
日々の忙しい業務に加えて、スタッフのメンタル不調への対応、休んだスタッフの分の業務対応など
上司の心理的、肉体的負担が急に増えてメンタル不調の連鎖が起きてしまうこともありえます。上司や経営者自身もメンタルのケアを意識してください。
働く場所と働き方を見直す(安全配慮義務)・
メンタル不調がおこってしまった背景に、パワハラ・セクハラなど職場環境が関わっている場合や、長時間労働・重過ぎる責任などの過重な業務に起因して発生したメンタル疾患は労働災害(労災)となります。
メンタル不調が起きない職場環境をつくっていく義務が使用者(会社)にはありますので、働く時間や、業務内容、部署、勤務先などを見直していくことが求められます。
最悪の場合、ワタミの過労自死事件や電通過労自死事件のように、会社や経営者個人が何億円という甚大な額の損害賠償請求をされるリスクもあります。
ちなみにわたしは10年ほど広告業界の会社に勤めていましたので、広告業界が過剰な残業や徹夜が当たり前になっていてメンタル不調者を多く生み出してしまっていることを知っていましたし、電通本社ビルが当時働いていた会社のオフィスから近い場所にあって取引先でも電通マンと会うことがありました。
うつ病などのメンタル不調の症状として「死んでしまいたい」「死ななければならない」などという気持ちが発生してしまうことがあります。
疾患の症状として死を選んでしまうわけなので「自殺」ではなく「自死」として区別していて、自死自体がメンタル疾患の症状として発生したと認められた場合はその死亡までが労災になるわけです。
使用者(会社)は労働者に対して「安全配慮義務」を負っており、労災(自死)の発生について使用者に安全配慮義務違反がある場合は労災補償の範囲を超えて損害賠償義務を負いますので、職場のメンタル不調が企業や経営者個人の資産をゆるがす壊滅的な賠償問題となる危険性を秘めています。
会社を守るためにもご縁のあった貴重な人材を守るためにも、メンタル不調を生み出さない職場が増えていって欲しいと願っています。
それでは、またお会いしましょう!