プレゼン資料・企画書やスライドの構成といえばSDS法とPREP法が定番ですが、この記事では定番の2つに加えてセールスやコピーライティングの業界でも使われている構成パターン(フレームワーク)や、構成の基本やプレゼンで使えるテクニックをご紹介します。
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・自分に合った構成パターンを探せる
・プレゼン資料や企画書作成の時短効率化
Contents
1. SDS法でのプレゼン構成
SDS法(Summary・Detail・Summary)は、説明やプレゼンの構成法の一つです。この方法は、相手に効果的な情報伝達をするために、要点を明確に伝えることに重点を置いています。
SDS法は、情報をシンプルかつ効果的に伝えるためのフレームワークです。要約と詳細をバランスよく組み合わせ相手の関心を引きつけつつ、短時間でメッセージを明確に伝えることがポイントです。
・業務連絡
・上司への報連相
2. PREP法でのプレゼン構成
PREP法(Point・Reason・Example・Point)は、説明やプレゼンの構成法の一つであり、SDS法と並んで定番とされています。
PREP法は、明確な要点とその裏付け、具体的な例を組み合わせることで、プレゼンの説得力と理解度を高めるためのフレームワークです。
・業務連絡
・上司への報連相
3. DESC法でのプレゼン構成
DESC法(Describe・Express・Suggest・Choose)は、相手を不快にさせずこちらの提案したい事を伝えるためのコミュニケーションの構成法です。
DESC法は、具体的な描写、感情の表現、具体的な提案、選択を組み合わせることで、相手の状況や気持ちに配慮しながら伝えたい事を伝えられるフレームワークです。
・プロジェクトの中止
・問題行動の指摘など
4. FABE法でのプレゼン構成
FABE法(Feature・Advantage・Benefit・Evidence)は、製品やサービスのプレゼンテーションにおいて効果的な構成法の一つです。
FABE法は、特徴から競合優位性、そしてメリットへとつなげ、具体的な証拠で裏付けることで、製品やサービスの魅力を効果的に伝えるためのフレームワークです。
・社内プレゼンテーション
5. TAPS法でのプレゼン構成
TAPS法(To Be・As Is・Problem・Solution)は、プレゼンテーションや企画書作成において効果的な構成法の一つです。
TAPS法は、目標設定から現状分析、問題の認識、解決策の提案までを明確に伝えることで、説得力のあるプレゼンテーションを実現するためのフレームワークです。
・ビジネス戦略の計画書
6. BEAFの法則でのプレゼン構成
BEAFの法則(Benefit・Evidence・Advantage・Feature)は、プレゼンテーションやセールスコピーの作成において効果的な構成法の一つです。
BEAFの法則は、メリットから証拠、競合優位性、特徴へと情報を組み立てることで、相手の興味を引きつけ、説得力のあるコミュニケーションを実現するためのフレームワークです。
・プレゼンテーションスライド
・マーケティングキャンペーン(LP制作)
7. 新PASONAの法則でのプレゼン構成
新PASONAの法則(Problem・Affinity・Solution・Offer・Narrow・Action)は、日本の著名なマーケッターである神田昌典氏が提唱する、セールスやマーケティングの分野で使用される効果的な構成法の一つです。
新PASONAの法則は、問題、親近、解決策、提案、絞り込み、行動の順序で情報を提示し、効果的なコミュニケーションを実現します。
新PASONAの法則は、問題意識から共感を生み出し、解決策を提案し、本当に必要な顧客の絞り込みを行い、最終的に行動を促すことで、効果的なコミュニケーションを実現するためのフレームワークです。
・プレゼンテーションスライド
・マーケティングキャンペーン(LP制作)
プレゼン資料・企画書・スライドの基本構成
プレゼンを構成する3つの要素
プレゼンを構成する3つの要素は、問題提起(現状の確認)、問題の根本原因、解決策の提案です。
まず、問題提起では現在の状況を明確にし、聴衆に問題の存在を認識させます。これにより、プレゼンの目的や重要性を伝えることができます。
次に、問題の根本原因を探ります。問題が発生している背景や要因を分析し、聴衆に共感を呼び起こすことが重要です。根本原因の把握により、解決策の効果的な提案が可能となります。
最後に、解決策の提案です。問題の解決方法や具体的なアクションプランを提示し、聴衆に具体的な手段を示します。解決策は明確で具体的であるべきであり、聴衆が実行可能と感じることが重要です。
これらの要素をうまく組み合わせることで、効果的なプレゼンテーション資料やスライドの構成を実現することができます。
資料・スライドのページ構成例
資料・スライドのページ構成は以下のように考えられます。
- 表紙:
プレゼンのタイトルや会社ロゴなど、魅力的で目を引くデザインにします。 - 目次:
プレゼンの構成やセクションの一覧を示し、聴衆がプレゼンの進行状況を把握できるようにします。 - 問題提起:
プレゼンの始まりで、現状の問題や課題を明確に提示し、聴衆の関心を引きます。 - 根本原因:
問題が起こる主な要因や背景を分析し、深堀りします。聴衆の共感を得るために具体的な事例やデータを使用します。 - 解決策:
問題の解決策やアクションプランを提案します。明確で具体的な手法や方法論を説明し、聴衆に納得感を与えます。 - 商品提案:
製品やサービスの特徴や利点を示し、聴衆に価値を伝えます。効果的なビジュアルや事例を用いて説得力を高めます。 - 商品の詳細:
製品の詳細な説明や機能、仕様などを提供します。分かりやすく要点をまとめ、聴衆の関心を引き続けます。 - まとめ:
プレゼンの内容を簡潔にまとめ、再度重要なポイントを強調します。 - 行動喚起:
聴衆に対して具体的な行動を促し、次のステップや取り組みにつなげるための呼びかけを行います。
これらのページ構成を活用することで、プレゼン資料やスライドの魅力的な構成を実現できます。
見やすいレイアウト構成
見やすいレイアウト構成を考える際には、以下の点に意識を向けることが重要です。
- 聴衆の目線の流れを考慮
情報は自然な読み取り順に配置し、視線の動きに合わせて配置します。タイトルや重要なポイントは目立つ位置に配置して、聴衆の関心を引きます。 - 文字の大きさとフォントを適切に設定
見やすいサイズのフォントを使用し、本文や見出しの間に適度な行間を設けます。重要なキーワードや要点は太字や色を活用して強調します。 - ビジュアル素材の使用に注意
適切な画像やグラフを使用して情報を補完し、視覚的な魅力を追加します。ただし、過剰な使用は避け、情報のメリハリを保つようにします。 - 色の使い方を工夫
適切な色合いを選び、コントラストを考慮してテキストやグラフィックを配置します。カラーテーマを統一し、視覚的な一貫性を持たせます。 - スペースの活用に配慮
情報を詰め込みすぎず、適度な余白を設けることで視覚的な疲労を軽減します。スライドの配置やアイテムの間隔にバランスを保ちます。
これらの要素を意識しながら、プレゼン資料やスライドのレイアウト構成を考えることで、聴衆が情報をスムーズに受け取りやすくなります。
売れるプレゼン構成のコツ
事実の情報でYESを積み上げる
売れるプレゼン構成のコツとして、「YESセット」という手法を活用することをおすすめします。
YESセットとは、聴衆に対して肯定的な反応を積み重ねる手法です。プレゼン中に具体的な事実やデータを提示し、聴衆に「YES」という共感や賛同を生み出します。
最初に共通の認識を確認し、問題やニーズに対する共感を得ましょう。次に、製品やサービスの利点や特徴を明確に説明し、聴衆に「(YES)それは私たちにとって重要です」と感じさせます。
さらに、具体的な事例や成功ストーリーを紹介し、過去の実績や顧客の満足度を示すことで、「(YES)この製品は信頼できる」という印象を与えます。
最後に、提案やアクションプランを具体的に提示し、聴衆に「(YES)これは私たちの問題を解決する方法です」と思わせます。
特にプレゼン冒頭で、データなどを活用し事実の情報を通じてYESを積み重ねることで、聴衆の関心や信頼を獲得し、プレゼンの成功につなげることができます。
A案B案を提案して選択してもらう
プレゼンを構成する際に、提案を一つだけでなく複数用意することをおすすめします。
これも有名なテクニックのひとつで、よくあるたとえ話ですが
あなたがお弁当を購入した際に、店員さんから「お茶は暖かい方か冷たい方かどちらにしますか?」と質問されると、「どちらがいいかな?」という思考になり「お茶を買うか(YES)、買わないか(NO)」という思考になりづらくなります。
このように、2つの案を提案することで、聴衆はどちらがより優れているかを比較し、選択を迫られることになります。
A案とB案を提案する際には、それぞれの利点やメリットを明確に説明し、具体的な事例やデータを示すことで信憑性を高めます。また、聴衆のニーズや課題に合わせて、それぞれの案の特徴を強調することも重要です。
複数案の提案によって、聴衆は自らが関与し、意思決定を行う機会を得ることができます。これにより、提案が受け入れられやすくなり、プレゼンの成功につながることが期待できます。
具体的なアクションを明確に促す
プレゼンテーションの最後には、聴衆に対して具体的な行動を促すことが効果的です。
具体的なアクションは、聴衆に何をしてほしいのかを明示するものです。例えば、製品の購入、契約の締結、無料トライアルの申し込みなどです。そのアクションの利点やメリットを強調し、聴衆に行動を起こす意欲を喚起します。
さらに、アクションの具体的な手順や次のステップも明確に示します。必要なフォームの記入方法や連絡先の案内など、聴衆がアクションを起こすために必要な情報を提供しましょう。
最後に、アクションを促す際には緊急性や限定性を示すことも効果的です。限定的な特典やキャンペーンの終了日などを伝えることで、聴衆に今すぐ行動をするべき理由を作ります。明確で魅力的なアクションを提示し、聴衆を行動に導くことで、プレゼンの成功を実現できます。
まとめ:プレゼン構成フレームワークの共通点
この記事で紹介した7つのフレームワーク
- SDS法
- PREP法
- DESC法
- FABE法
- TAPS法
- BEAFの法則
- 新PASONAの法則
これらの構成パターンを活用することで、プレゼン資料や企画書作成の効率化や効果的な情報伝達を実現することができます。自分に合った構成パターンを見つけて、より魅力的で説得力のある資料を作成してください。
また、これらの手法には3つの共通点があります。
①相手の問題の明確化と共感の創出
相手が抱える問題や課題を明確に認識し、共感を呼び起こすことで関心を引きつけます。
②具体性と具体例の使用
具体的なデータや事例を提供することで、情報を信頼性のあるものにし、相手の理解を促進します。
③解決策や提案の明示と行動の促進
明確な解決策や具体的な提案を示し、相手に次の行動を促すことで成果を得ることができます。
これらの要素を組み合わせることで、効果的なプレゼンテーションやコミュニケーションが可能となるのでぜひ取り入れてみてください。
プレゼン構成の参考書籍
ビジネスに役立つフレームワークをもっと知りたい方には以下の本もおすすめです。
多種多様なビジネスフレームワークが網羅されており、手元に置いて必要な時にパッと開きたい本です。
こちらは筆者も勉強している本で、本記事で紹介した新PASONAの法則についても詳しく学べます。相手を動かしたり売れる言葉を生み出すにはコピーライティングの技術を学びましょう。
さいごに:プレゼン資料・企画書・スライドの構成と購買心理
プレゼンテーションやマーケティングで活用されているフレームワークは、人間の購買心理や意思決定の心理プロセスを研究してつくられています。
だからこそ、資料作成だけでなく、顧客や上司への説明・報告や営業やマーケティング活動など、様々なコミュニケーションにおいて応用が効く実践的なビジネススキルです。
これらの伝えるスキルを磨いてビジネスパーソンとしての価値をどんどん高めて、働きやすい環境を自らの手で実現して頂ければと願っています。
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