ネット中毒・動画依存の家族と自己肯定感が低かったわたしの関係

社会問題ともなっているネット中毒や動画依存と、それが引き起こす家族関係の問題についてわたし自身の体験から気づいたことを記事にしました。

KEI

同じような境遇や悩みを持たれた方の参考になればと思います。

日常生活に支障をきたすネット中毒と家族関係

ネット中毒や動画依存については専門家ではないので、あまり詳しい事は理解できていませんが、アルコールやギャンブル中毒などと同じように、「日常生活に支障」をきたしてもやめられないほど、ネットの動画・ゲーム・SNSを見る行動を選ぶ状態のことと考えています。

そして日常生活って何だろうか?というと、この定義も実は難しくて、人によってかなり認識が違うものなんです。

例えば、わたし自身は家族とのコミュニケーションを大切にしたいと考えていて、ながらで話を聞くことはしないように気を付けています。妻と子どもが何か話しかけてくれた時にはしっかり聞いてあげたいし、それも大切な日常生活だと考えています。

しかし、わたしの妻にとっては「日常生活に支障」をきたさないというのが、どうやら「仕事と家事に支障」をきたさないという認識のようで、夫婦間のコミュニケーションは含まれていないようだということに気づいたのです。

というのも、わたしとしては妻の動画依存が、夫婦関係やコミュニケーションに支障をきたしているのだからネット中毒だという認識なんですが、妻は仕事と家事に支障をきたしていないのだから「自分の好きなものを見て何が悪いんだ」という認識なんです。

 

ネット中毒と日常に必要な癒し

妻はまじめによく働く人で、平日はフルタイムで仕事して家に帰ってからもご飯を作ってくれたり、子どものお弁当もほぼ毎日作っているので、本当にえらいなといつも思っていて、わたしもその負担を減らすためにも家事を分担してやろうと心がけています。

仕事が好きなのか頭の中のリソースのほとんどを仕事に使っているようで、家に帰ってくるといつも疲れていて、横になるとすぐに寝てしまいます。

家事は嫌いなようで、嫌いだけどやらなければならないことを緩和するために、常に動画を見ながら家事をするクセがついていて、洗濯物をたたむときも料理をする時も、片づけをする時も化粧をする時も、ほとんどアニメを見ながらしています。

そんな頑張っている様子をいつも見ていて、「きっとアニメが心の癒しで大切な物なんだろうな」というのが、よくわかっていたからこそ言えなくて、わたしが長い間我慢していたのが「音の問題」でした。

わたしは正直、アニメのうるさい音や声優の声が嫌なんです。アニメ好きの人からすると理解に苦しむと思いますが、わたしからすると虫や動物、子どもを遠ざけるモスキート音のようにかなり不快で嫌な音です。

とはいえ、全く我慢できないわけではないし、家族が好きなものを楽しんでいるのを邪魔するつもりはないので、言わずに我慢するようにしていました。

長年それで大きな問題にはならなかったのですが、今年に入ってなぜか体調が悪くて、今までなかった食品アレルギーが出て病院に駆け込むことになったり、蕁麻疹も帯状疱疹も出てかゆみに悩まされて寝れなくなったり、体の免疫力が下がって菌に対する抵抗力がなくなって歯ぐきが炎症して晴れたり虫歯になったり、精神的にもどんどん弱ってきてしまったんです。

 

聴覚過敏になってしまったツラい日常

肉体的にも精神的にも余裕がなくなってきて、今まで我慢できていたことも我慢するのがツラくなってきました。

毎日繰り返される「アニメの音」と「うるさいYouTubeの音」が苦痛で仕方なくなってしまったんです。それまではストレスを感じてはいても耐えられていたんですが、耐えられなくなって悩みました。

もちろん家族の好きなものを制限したいわけではないので、色々と考えて人にも少し相談してみて、最終的に家族へ「その音が苦手なので、観るならイヤホンかヘッドホンで観て欲しい」と伝えたんですね。

そうすると、妻と息子からものすごい怒りが返ってきました。

「なんでそんなこと(イヤホン)をしないといけないんだ!」
「自分の好きなものを見て何が悪いんだ!」
「普通の生活音なのに何が問題なんだ!」

という感じです。そしてこれは直接言われたわけではないのですが、ものすごい怒りの感情を何度もぶつけられて「こんな普通の音に問題を感じている、あなたがおかしいんだ」と言われている気持ちになって、かなり落ち込みました。

そこから特に家族の行動は変わらず、妻は普通にリビングでアニメを見ているし息子はYouTubeをみていて会話をすることも困難に感じました。

「そんなに嫌ならあっちに行けば」という感じの対応なので

なるべく同じ空間にいないように心がけるようにしたのですが、リビングにはペットのオカメインコもいて世話をしたり毎日2時間〜3時間遊んであげる必要があるので、その間はどうしてもリビングにいる必要があります。(独身時代から15年以上飼っている)

もちろん、家族には家族の言い分がありますが、自分としては今まで我慢してきたことが我慢できなくなってツラすぎて伝えたところ、もっとツラい状況になってしまったので、これからどうすればいいのだろうかと途方に暮れてしまったのです・・・。

 

アルコール依存症の父親とわたし

家族に対して「あなたはネット中毒だ」というと必ず否定と怒りが返ってくると思いますが、わたしはこれと似たような経験を子どもの頃にしています。

今では尊敬していますが、父親がアルコール依存症でしたし母親は悲観的なことばかり考える心配性だったので、夫婦仲は最悪で最終的に家族はバラバラになりました。まだ就職する前の二十歳前後のころは、2度か3度(記憶があいまい)アルコール依存症の専門病棟に父親をつれていって入院させたりしていました。

アルコール依存症の場合も「中毒」を指摘するとほぼ間違いなく怒りが返ってきます。脳がアルコールに依存しているので、それを阻害されたと感じて強い怒りが湧いてくるからです。

そして今回、家族からの怒りを受けてそのことを思い出しました。

 

自己肯定感が低いと苦しみを増幅してしまう

わたしは当事者なので、冷静な判断ができない可能性が高いため、家族が本当に「ネット中毒」に当てはまるのかはさておき、もうひとつ書いておきたい大切なことが「自己肯定感」です。

自己肯定感とは、自分自身を肯定的に評価したり、その存在価値を認められている心の状態のことを言います。自己肯定感が低いまたは自己否定していると、人間関係の苦悩が何倍にも増幅されてしまうのです。

例えば、今回のように動画依存と音の問題のことで、家族から怒りをぶつけられた場合に、自己肯定感が低かったら「自分は家族から必要とされていないどころか、邪魔な存在なんだろうか・・・」と余計なことまで悩んで、さらに落ち込んでしまいます。

妻に話しかけた時に動画に夢中で話を聞いていなかったという場合も「自分の話は妻にとって重要ではない。価値があるものではないのだろう」という風に解釈してしまい、苦悩を自ら増やしてしまうことがあります。

わたしは子どものころから自己肯定感が低いので、上記のように考えてしまう傾向があって、人間関係の悩みに直面した時に、勝手に苦しみを増やして勝手に苦しんでいたタイプの人なんですが、数々の失敗経験と学びを経てそれは解決できるようになりました。

なので今回の問題においては、自分が過去に抱えていた自己肯定感の問題によって苦悩を倍増してしまうことにはならなかったのですが、もしまだそれを解決できていなかったらと思うとゾッとします・・・。

体調が悪くて精神的にも弱っていて、音というストレスと家族からの怒りというストレスによる苦しみを、さらに倍増させてしまっていたらきっと耐えられなかったのではないかと恐怖を感じています。

ネガティブな認知バイアスをもったままでは、現実の問題を直視して適切な対応を考えることも難しくなってしまうので、自己肯定感が低めの人は、自分で苦しみを増やしていないかも注意して頂きたいと強く思います。

 

さいごに:問題をかかえこまず話す

わたし自身がこころがけていて、自分と同じような苦しみを持っている人が、悩みの解決や前に進むためには「人に話す」ことが重要だと思います。

コーチングやカウンセリングでは、話すことは「手ばなす」ことだとよく言われていて、話すだけでもかなり気が楽になります。

すぐには現実的な問題が解決しなくても、気が楽になる事で冷静に考えられる余裕が出てくるので、不必要に苦しみを増幅したりせず現実の問題に適切に対処できる心の状態になれたり、考え方がかわって問題があまり気にならなくなることもあります。

まずは、家族や親しい友人などに話を聞いてくれる人がいれば話してみましょう。わたしもそうしています。

KEI

最後までお読みいただき有難うございます。