セミナー集客チラシ制作5つの要点

この記事は、セミナー講師・保険営業・コンサルなどを対象に、セミナーチラシを作る際に押さえてほしい5つの要点を紹介しています。

セミナー集客やバックエンド販売・契約につながるクオリティの高いチラシを制作するために参考になれば幸いです。

はじめに:セミナーチラシ制作3つのメリット

まず本題に入る前に、セミナーチラシを制作するメリットを3つ紹介いたします。

(1)伝える情報の優先順位が整理される

セミナーチラシの大きさはA4かB5サイズが一般的です。WEBページと違って紙面にはスペースに限りがあるので、あまり多くの情報は載せられません。

セミナーや講座で伝える膨大な情報の中から、特に重要な伝えたいことや対象者が興味を持ってくれそうなことに絞って、優先順位の高い情報を掲載する必要性が出てきます。チラシを受け取る相手は、自分にメリットがあると判断できるセミナーか、応援したいと思う講師のセミナーか、信頼する人が勧めてくれたセミナーにしか興味を持ちません。

何を伝えれば興味を持ってくれるのか?

チラシを制作しながら重要度の高い情報は何かを考えて、相手のニーズに寄り添って情報を組み立てることにもなります。

(2)相手が申し込むのを忘れにくい

セミナー案内を口頭やメッセージのテキストだけで伝えるよりも、視覚的な情報で強く印象付けたり、多くの情報を一か所に集めて渡せるので記憶に残りやすく、細かい情報は忘れてもすぐに確認することが出来ます。

開催日時や会場、申込方法なども読めばわかるようにしておけば、手続きを忘れる事を防いだり、問合せ対応などの手間を軽減する効果が期待できます。

(3)紹介してもらいやすくなる

セミナーの参加者が友人などを誘ってくれたり、自分は参加できないけどおすすめしたい人に紹介したいと思った時に、チラシがあれば説明の手間がなくなり紹介のハードルをぐっと下げることが出来ます。

自分が良いと思ったセミナーでも、人にそれを説明するのはなかなか難しい事ではないでしょうか?口頭で説明するのが難しくても、セミナーの魅力や詳細情報が書かれてあるチラシを見せれば、ほとんどの説明の手間が省けます。

 

1. セミナーの魅力を伝えるチラシ内容

チラシにどんな情報を掲載すればいいのか?
基本の内容は下記の7つです。

(1)タイトル・キャッチコピー

チラシを見た時に一番初めに目に入ってくる情報です。

セミナーの対象者の注意を引き、興味を持ってもらえそうなキーワードやビジュアル(画像やイラスト)、このチラシからどんな情報が得られるのか理解を助けるようなわかりやすい表現が望ましいです。

どんなキーワードが注意や興味を持ってもらえるのかは、対象者のニーズや市場環境によって絶えず変化しているので決まった答えはありませんが、コピーライティングのプロによると基本的には過去結果がでているコピーを元に工夫するのが結果が出やすいようです。

ビジュアル表現は例えば、小さな子をもつお母さん向けのセミナーであれば赤ちゃんの写真やイラストを使ったり、ビジネスセミナーであればビジネスシーンの写真や青や紺色を使ったり、コミュニケーションのセミナーなら対話をしている写真やイラストを使う。というようにパッと見で何の情報が書かれているのかがわかると、相手は自分にとって役に立ちそうな情報かどうかを判断しやすくなります。

(2)どんな人にお勧めなのか

セミナーの主な対象者を記載します。

例えば、経営者・起業予定者・管理職などと職業や肩書で書いたり、職場の人間関係でお悩みの方・自己肯定感を高めたい方・パートナーとの関係を良好にしたい方などと悩みや課題などで書くと良いでしょう。

誰にでもオススメしたい気持ちがあっても、なるべく対象者を明確に絞ってメッセージを伝えた方が、相手は自分事として受け取ってくれやすくなります。マーケティング用語で「ペルソナ」という言葉がありますが、想定顧客のペルソナを明確にしておくことはチラシだけでなくマーケティング全般に役立ちます。

参加する受講者の立場で考えると、自分に役立つセミナーだと思って参加したのにそうではなかった場合、セミナー料金だけでなく移動も含めた時間的なコストやそのセミナーがなければ入れられた他の予定も無駄にするリスクがあります。

対象者を明確にすることでミスマッチを防ぎ、講師にとっても受講者にとっても有意義なセミナーになる可能性を高められます。

(3)期待効果

セミナーを受講するとどんな効果が期待できるのかを記載します。

例えば、資産構築に関する最新情報が得られる・話し方のスキルが磨ける・定着率を高められる・SNSのフォロワーが増えるなど、受講者が得られる具体的な効果やメリットを書いてください。

セミナーを受けた人全員が効果を得られるのかというと、受講者が学んだことを実践をするかどうか、また置かれている環境にもよるので絶対ではないことが多いと思いますが、あくまで期待できる効果なのでハッキリと書いた方が良いでしょう。

(4)セミナー内容

セミナーの内容を抜粋して記載します。

あまり多くの情報は載せられないと思いますので、ビジネス書の目次のように箇条書きで重要度の高い情報を載せてください。上記の(3)期待効果を兼ねた内容でもかまいません。(その場合は期待効果もわかるような目次にしてください)

ちなみにビジネス書の目次は著者とプロの編集者によって考えられたもので非常に完成度が高いものがほとんどです。ご自身のセミナーと同じ分野でヒットしているビジネス書や実用書の目次を参考にセミナー内容や見せ方を考えるのも良いと思います。

チラシの記載内容だけでなくさらに多くの情報を伝えたい場合は、WEBサイトなどに記載してQRコードを貼り付けておくことで、興味を持った方が更に情報を得られる導線を作っておきましょう。

(5)講師プロフィール

講師(先生)としてふさわしい人物であることをプロフィールで記載します。

例えば、経営者の在り方を教えるセミナーの講師が会社経営をしたことが無かったら、誰がそのセミナーを聞きたいと思うでしょうか?その分野での素晴らしい結果や、長年研究してきている実績、他からはなかなか得られない専門的な知識や技能などを持っているプロフェッショナルから話を聞きたいと思うはずです。

受講者は効果を得たいのでセミナーに参加しますが「この講師から本当に効果を得られるのだろうか?」という不安があります。講師のプロフィールは期待効果を裏付けるエビデンスの一つにもなりますのでしっかりと記載してください。

(6)イベント詳細情報

セミナーの日時・場所・主催者・問合せ先を記載します。

特にわかりにくい場所の場合、簡単な地図を作成して載せたり、アクセス情報をスマホなどですぐに見られるようにQRコードや検索ワードを記載してください。

(7)申込み方法

申込方法を具体的にわかりやすく記載します。

セミナー内容に興味を持ってくれても、申込方法がわからないと絶対に申し込んでもらえません。対象者の年齢層などにもよりますが誰でもわかりやすいように簡単な方法が望ましいです。

一般的に下記の3つの申込み方法があります。
・QRコードからアクセスして申込フォームに入力
・チラシの申込み記入欄をもうけてFAX送信
・電話とメールで受付

申込方法の例としてチラシの実例を紹介します。
以下のチラシでは、表面がセミナーの紹介で裏面が詳細情報・申込み方法(FAX送信用紙)・アンケートと特典の紹介という構成になっています。

その他

紙面スペースには限りがあるので難しいと思われますが、その他の記載したい内容もご紹介します。

・受講者や体験者の声(レビュー)
・メディア掲載情報
・著書、出版物
・講演、セミナー開催実績

チラシには載せられない場合でもWEBサイトなどには載せておいた方が良いでしょう。

 

2. 目線の流れに合わせたレイアウト

紙面を見る人の目線の流れは「Z字」です。

左上(タイトル・キャッチコピー部分)から始まり、中身にサッと目を通しながら右下の方へ視線が流れていくので、この順番に沿って情報を並べていけば、意図した順番で情報を見てもらえる可能性が高くなります。

①タイトル・キャッチコピー(何のチラシなのか?)
②どんな人にお勧めなのか(自分に関係ある情報なのか?)
③期待効果(メリットはありそうか?)
④セミナー内容(メリットはありそうか?)
⑤講師プロフィール(どんな人が話すのか?)
⑥イベント詳細情報(いつどこで開催するのか?)
⑦申込方法(どうやって申し込むのか?)

チラシ内容の章で紹介した情報を、目線の流れに合わせてレイアウトすると、相手が読みやすく情報を理解・判断しやすいチラシを作ることが出来ます。

また、特に目立たせたい部分については、文字のサイズを大きくしたり画像・イラスト・図解等のビジュアル表現を入れる事で目立たせることが出来ます。

 

3. ビジュアル表現でわかりやすく

人は基本的にパッと見てわからないチラシや資料を頑張って読み込んで理解しようとはしません。相手の脳にストレスを与えたり理解するための時間コストをかけさせないようにわかりやすくする必要があります。

しかしながら、自分が好きなテーマや本当に興味ある情報については細かい文字であってもどんどん読み進めていけるものです。ですので、まずは興味さえ持ってもらえればその後に伝える情報はある程度小さめでも大丈夫という事でもあります。

広告やマーケティングの分野で有名な「AIDMA(アイドマ)の法則」をご存知でしょうか?

詳しく説明すると長くなってしまうので、簡単に紹介しておくと

A(アテンション)注目
I(インタレスト)興味
D(デザイア)欲求
M(メモリー)記憶
A(アクション)行動

の順番で伝える事を組み立てていくフレームワークです。まずはとにかく「注目→興味」が重要です。ここがなければ読み進めてもらえないので、どうすれば注目して興味を持ってもらえる情報を一瞬で伝えられるかということを考えなければなりません。

チラシを渡すシチュエーションによっても変わってきますが、基本的にタイトル部分に大きく記載するタイトル・キャッチコピーの大きな文字情報とビジュアル表現(写真・イラスト)が、「注目→興味」の部分を担っています。

写真やイラストは自然と目が行きやすく多くの情報を一瞬で伝えることが出来るので、対象者が注目しそうな素材はどんなものか仮説を立てて検証していくとよいでしょう。

特に人は顔を認識する脳の機能があるので瞬時に目が行く習性があり、タイトル部分に使用する画像に人の顔が入っているものを使ったり、講師のプロフィール画像を掲載するとそこに目が行き周辺に配置している文字情報も読まれやすくなります。

 

4. 講師プロフィールの作り方

講師プロフィールもとても重要です。「それを語る資格がある講師なのか?」もしくは「この講師と関わることで自分にメリットがありそうか?」ということもセミナーを受講する判断材料の一つです。

実際、講師に興味あるから参加するというセミナー参加者も多くいるので、ブランド力のある講師は名前だけで人を集める集客力があります。

有名人でブランド力が備わっている講師の場合は、プロフィールを頑張って書く必要はすでにないかもしれませんが、そうでない講師はプロフィールで魅力をアピールしていく必要があります。

そのために記載して頂きたい基本の項目を5つ紹介します。

(1)実績(自身・クライアント)

講師自身の実績として、登壇回数・指導人数・メディア掲載・売上金額・表彰などの結果を残した実績を書いて下さい。講師が指導したクライアントの売上実績などもメリットがわかりやすく効果的です。

文章を考えるうえでウソは絶対ダメですが表現を工夫するのはOKです。例えば、一般的にNo.1の成績はスゴイと認識されやすいので、範囲や分野を限定して大阪でNo.1とか、同期でNo.1、〇〇〇業でNo.1などと多少表現を工夫するのは問題ありません。セミナーの内容に合った実績をプロフィールに書いて信頼感を高めましょう。

(2)自身の経歴

過去の経歴や経験からセミナーに関連する事を中心に書いて下さい。

例えば、マーケティング会社で大手クライアントの販促企画を10年間担当してきた経験があれば、それをしっかり書いた方がマーケティングについて語る資格がありそうだなと思ってもらいやすくなります。

どんな業界でどんな役割を担ってきたのか、どんな経験をしてきたのか、どんなことに悩みどんな工夫をしてきたのか等、特に上手くいかなかった時期や失敗経験から、成功体験へ変化したことなども書くと共感されつつ信頼感を高められます。

(3)現在の活動

実績と経歴を踏まえて現在の活動も書いて下さい。

例えば、2014年よりデザイン事務所として独立起業して、個人起業家や中小企業が簡単に自分で編集できるWEBサイトやチラシなどの紙媒体をデザイン制作しています。

このように、誰に向けて(個人起業家・中小企業)どんな活動(デザイン制作)をしているのかがわかるように書いて下さい。更にどんな想いで活動しているのか、どんな未来を目指しているのかなども書けた方が、共感が得やすく講師の人間性や価値観も伝わり信頼感が高まります。

(4)どんな利益や効果を与えられるか

この内容は実績や現在の活動の中で書いていただいても大丈夫です。

プロフィールのどこかで、セミナーで学べる情報を使って、講師自身やクライアントがどんな利益や効果を得られているのかがわかるようにしてください。

(5)どんな悩みや課題を解決できるか

この内容も実績や現在の活動の中に入れて大丈夫です。

悩みや課題を抱えた苦しい状況を解決できるのかがわかるプロフィールにしてください。

 

5. データをひな型(フォーマット)化して再活用する

チラシを制作するにはかなりの時間と手間が必要となります。

慣れているデザイナーでも丸一日かかることもあるので、慣れていない方がちゃんとしたチラシを自作しようとすると一日では終わらないのではないでしょうか?

本業ではない仕事や作業(チラシ制作)にあまり時間をかけたくはないと思いますが、かといってクオリティの低いチラシではセミナーの魅力が伝わりにくくなってしまいます。

まずは一つしっかりとクオリティの高いチラシを作って、ひな型化しておくことでそれ以降のチラシ制作の時間と手間を大幅に減らすことが出来ます。

具体的には、パワーポイントやMACのkeynoteで制作しておけば、セミナーのタイトルや訴求文、日程や場所などを書き換えたり写真素材を入れ替えて、レイアウトは活かしたまま全く別のセミナーのチラシに作り変えることが出来ます。

ここまでで紹介しているセミナーチラシの内容

①タイトル・キャッチコピー
②どんな人にお勧めなのか
③期待効果
④セミナー内容
⑤講師プロフィール
⑥イベント詳細情報
⑦申込方法

この内容が整理されたレイアウトを作っておけば、制作にかかる時間と手間を最小に抑えながら新しいセミナーチラシを作れるでしょう。

最後に一つ、宣伝をさせてください。

私はパワーポイントでセミナーチラシを制作しています。もしよかったらデザインの依頼をご検討ください。もちろんパワーポイントデータも納品しますので、プロが作ったクオリティの高いチラシと今後も活用できるひな型データが手に入ります。

 

パワーポイントで制作したセミナーチラシの例